カランメソッドという英会話の習得メソッド、特にオンライン英会話でこのメニューを実施しているところをよく見かけます。ただ僕は、このメソッドを行う人には向き、不向きがあると考えています。
カランメソッドとは
本家のサイトも見てみたのですが、以下ネイティブキャンプの説明のほうが、具体的にどんなレッスンをするかをわかりやすく書いてありました。
とても簡単に言うと、講師が高速で2回質問文を言う、それを即座にフルセンテンスで答える、演習中はテキストを見ない、という、トレーニングですね。
※このサイトによると、「通常の4倍のスピードで取得(「ケンブリッジ英語検定試験(PET)のレベルになるまで一般的な学習方法では350時間程度必要とされています。しかしカランメソッドで同レベルになるまでは80時間程度必要」」)、とありますが、その裏付けとなる実験結果などは公開されているのでしょうかね。あればぜひ見てみたいと思いました(自力では見つからず)。
→(追記)もう少し調べてみました。
一般的に、効果があるかないか、で考えると、英語を話すようになるにはとても効果のあるメソッドの一つだと思います。特に英語をやり直めた初心者の方でオンライン英会話を最初から学習に組み込みたいのであれば、フリートークなんかはやらずに、このレッスン中心で進める方が良いかもしれません。
実は、僕も数年前にやってみたことがあります。が、途中で挫折しました。正直、このメソッドは向き不向きがあるのではと個人的には考えています。
カランメソッドが向いていない人!
では、カランメソッドに向いてない人はどんな人でしょうか。自分の実体験から、独断と偏見で書きます。二つあります。
今まで、別のメソッドで似たような練習をしてきた人
似たような練習とは、パターンプラクティスなど、英語の構文を自分で即座に組み立てて発話する練習のことを指しています。以前ブログで紹介したことがありますが、僕はこんな本(こちらは多分もう手に入りません)やこんな本を使って一人で練習したことがありました。
カランメソッドはいわゆるダイレクトメソッドと言われるものの一つのようで、間違えた場合に先生が修正してくれるところはメリットがあると思うのですが、それだけのためにマンツーマンで先生を一人つけなくても、パターンの練習はある程度できるんじゃないか、という気がします。
また、カランメソッドでは、どんなレベルの人でも必ずステージ1から始めるのが鉄則ということで、僕も、ステージ1の教科書からスタートしたのですが、正直、(偉そうなことを言いますが)上記のパターンプラクティスをある程度やっていた身としては簡単すぎる文章を、先生について繰り返す時間は、かなりつまらなくて苦痛でした。下世話な話ですが、この間は、使っている時間と払っているお金がもったいないと感じてしまったのも確かです。
アメリカ英語で勉強してきた人、もしくはアメリカ英語で勉強したい人
と言っても、我慢して続けていればステージは上がっていって、だんだん難しくなってきます。僕は確かステージ4くらいまでやってやめちゃった記憶がありますが、結構自分のレベルとしては難しい構文があったと思います。
ただ、今までずっとアメリカ英語で勉強してきた自分にとっては、イギリス英語が絶対的な正解になっている内容にどうしても慣れず、結局それが、僕にとっては、カランをやめた一番大きい理由でした。(いや待てよ、、かっこつけているけど、つまらなくて面倒になったのが一番大きいかも。でもこれも大きな理由です。)
なお、これはアクセントの話ではなくて、構文の話です。(アクセントはイギリス英語のほうがエレガントでかっこいいですよね?完全に主観ですが)
具体的に、一番違和感があったのが、「have got to」構文でした。例えば、、テキストは売ってしまった(張り切って全巻買ったので、だいぶもったいないことをしました)ので手元にないのですが、Do you have a pen?というところを、このテキストでは Have you got a pen?という風に、ほぼすべての「have」は、は「have got to」 と書かれていたと思います。もちろんこちらも正しくて、イギリスではこちらの言い方のほうがどうも一般的なようなのですが、アメリカ英語でずっと勉強してきた自分にとっては違和感しかなく、この言い方を正解として話さなくてはならないことがどうしても気になってしまいました。
カランメソッドが向いている人
一方で、構文を組み立てて話す練習を初めて行う人で、毎日オンライン英会話でレッスンする時間とお金がある方は、カランメソッドは選択肢の一つとしてはいいと思います。先述のイギリス英語とアメリカ英語の違いは、どちらかになれてしまった人でなければ、些細なことですので。
ただ、正直、カランメソッドは、トレーニングとしては「つまらない」ので、つまらなくても積み上げを少しずつすることで達成感を味わえる人である必要がありますね。先ほども書きましたが、あまり英語のインプットが十分でないうちは、オンライン英会話でフリートークをするよりは、こういう構文組み立ての練習は組み入れたほうが、結局は早く話す力は上達する気がします。
自分だったらどうするか
今ある教材、環境で、自分が初心者だったらどうすれば一番効率的に勉強できるかな、と改めて考えてみると、自分としては、カランメソッドではなく、先述のアメリカ口語教本(入門編と初級編の2冊で十分と思います)を十分やりこむ。そのあとに、今すごく流行っているようですが「英語のハノン」を一日1ドリル(スロー版と、ナチュラルスピード版、が録音されている、一回分のドリル)だけしっかりやる。これを毎日の練習に組み込めば、かなり英語が口から出やすくなってくると思います。三冊合わせて6600円で済みます。オンライン英会話はそのあとで始めてもいいと思います。
もちろん、向き不向きがあると思うので、オンラインでカランメソッドをやることを検討している方は、体験レッスンを受けてみて、時間、費用の面で続けられそうならば全然ありだと思います。
いずれにせよ、構文を自分で組み立てる練習は、大人になってから英語を勉強するのであれば取り入れたほうが断然効率的だと思います。
ご参考になれば幸いです。
追伸:謳っている効果について、以下の記事でもうちょっと調べてみました。
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