中高年が英語勉強する意味あるの?を分析する

中小企業診断士

迷っている人
迷っている人

英語を勉強し直したい気持ちはあるんだけど、すでに中高年。

そんな自分が英語勉強する意味ある?

このように迷っている方のための記事です。

僕はこんな人です。
大人になって英語勉強をやり直し、英検1級、全国通訳案内士を取得。50代ですが、今も楽しみながら継続学習中です。中小企業診断士。

どうやって分析する?


このページを見てくださっているということは、「英語を勉強したい気持ちはあるけど、この年になって英語を勉強する意味ってあるのかな。今までも失敗したしなぁ」という方が多いのではないでしょうか。

意味ある!とか、ない!とか、断定するつもりはありません。まずは自己分析をやってみませんか?

そのために、SWOT(スゥオット)分析というものを使ってみたいと思います。知っている方は、「なんだそんな単純なもの」と思うでしょうし、知らない方は「なんか難しそう」と感じるかもしれません。

SWOT分析とは

SWOT分析とは、ビジネスでよく使う環境分析の手法の一つです。戦略を立てようとする対象について「強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つに分類し、整理したうえで戦略の方向性を立てる、というものです。

中小企業診断士がクライアントに対してヒアリングし、最初に行うことがこのSWOT分析であることが非常に多いです。

なんて単純な、と思うかもしれませんが、これが頭の整理にとてもいいんです。こういう切り口で状況を見える化することで、やるべきことが見えてくることが多いんですよね。

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中高年の英語をSWOT分析する


では、やってみましょう。
ふつうは、SWOT分析は、S(Strength:強み)から入ることが多いですが、ここでは、気になる「弱み」からやってみましょう。

弱み


弱みとしては、年齢による学習能力の低下、というのが普通の考えでしょうか。しかし、勉強を今も続けている自分の立場から考えても、50代くらいでは正直、目に見える能力の低下はあまり感じません。それよりもむしろ、この年で英語を勉強してるということが恥ずかしいと感じる、周りの目を気にしてしまう、という引け目、というところは結構実はあると思ってます。これをどうやってうまく回避するかというのは、人によってはポイントになると思います。

・強み


では強みに行きます。強みなんてあるんだろうか?と思った方。中高年だからこそ、今までにやってきたこと、知識や経験が若い人よりあると思います。成功体験、ではなくていいんです。失敗体験のほうがむしろいいかもしれません。


これが勉強に生かせるんです。これは、若い人にはない強みです。英語を勉強すると言っても、言語は結局は意思疎通のツールですから、意志疎通する中身がないと、はっきり言って意味がありません。
ご自身がやってきた仕事の内容でもいいです。お子さんのいる方は子育て、あるいは趣味、なんでもいいです。ここまで生きてきたからこそ得た体験、別に目に見えるスキルになっていなくても、苦労したり楽しんだりしたことがあると思います。それらがすべて英語を使う時の材料になるんです。

脅威

脅威、これは、「勉強をしないことにより、周りの環境にどういうよくない事が起きるか」ということを考える、ということです。
いままでそれでも何とかなってきたんだから、と思われる方も多いと思いますが、僕は、今の日本の環境は、英語を使わない人にとってはあまりよくない方向に進んでいると思えてなりません。
確かに、今までは英語ができなくても問題なかったと思います。
しかし、自分が変わらなくても世界が、日本の経済を日本の好き勝手にできない方向に変わってしまう、と僕は考えています。


これは、GDPの国別の推移です。
https://www.nissay.co.jp/enjoy/keizai/135.html
物価の違いを均した、購買力平価を見るともっと厳しい状況ですね。
これが何を意味しているかというと、今までの国内だけ、ドメスティックな仕事は先細りになっていくということだと理解しています。
いきなり上司が外国人になった、という話をたまに聞きますが、これがもっと増えてきてしまうと思います。年金受給開始も、たいていの人は65歳からでしょうから、その前に仕事をしている間にそういうことになる方もそれなりに出てくるのでは、と思います。


また、これは英語実態活用調査という調査資料からの引用ですが、一番注目したいのは「社内で英語を使うことはない」という会社が今後減っていく見通し、ということですね。3年で30%→20%です。
https://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/lr/katsuyo_2019/pdf/katsuyo_2019_corpo.pdf

機会


機会、というのは、自分の周りの環境で、英語を使えるようになることで活かせるチャンスがあるんだろうか、ということです。ここではそれを考えていきます。


若い人だったら色々あるんだろうけど、と思った方。
日本人の平均寿命は、男性81歳、女性87歳とのことです。(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/dl/life19-02.pdf)
50歳の人でも、まだ平均で30年以上も生きるんだから、残りの人生を、英語ができる人として生きるか、英語ができない人として生きるか。若い人に役に立つんだったら、中高年にだって役に立つはずなんです。

とはいっても、キャリアを完全に切り替えることは若い人よりハードルは高いのは事実です。

一方で、お仕事をされている方、その内容を改めて考えてみてください。英語ができると、その世界が広がる、ということはないですか?

例えばものを売っている仕事であれば、そのものの対象(仕入れ先、販売先)が広がる可能性があります。あるいは、直接海外のお客様や仕入れ先とかかわるものでなくても、同業種の成功事例は海外にあるかもしれません。その情報を取ろうとする場合、英語ができるのとできないのとでは大違いです。何といっても、世界のWebでの情報の64%が英語であるのに対し、日本語は2%にすぎません。

Usage Statistics and Market Share of Content Languages for Websites, February 2024
What are the most popular content languages on the web

では、どうするか

上記のようにSWOTを挙げてみました。もちろんこれは各人の環境によって変わったり、別の項目が増えることも多いと思います。しかし一般的には先ほどのSWOTが当てはまることが多いのではないでしょうか?

ここから今後の方向性を考えていきます。通常は、強みを機会の獲得にどう使うか、その強みを脅威の回避にどう活用するか、そして弱みをどう補完して、機会をとらえるか、脅威を避けるか、といったような、クロス分析を行っていきます。

とはいっても一番重要なことは、「強みを機会に」です。弱みや脅威は、単に避ければいいんです。自分の強いところを、チャンスにぶつける、これです。

やはり、今までやってきた分野を英語で世界を広げていく、というのが王道だと思います。自身の仕事の分野が一番わかりやすいですが、そうでなくてもいいんです。趣味でやってきたことでもいい。また、若い人よりも、自分自身が良く見えていて、本当に自分のやりたいことが分かっていると思います。それを前提に英語でやりたい分野を明確にして勉強する、というのがいいと思います。

以下は、ロールモデルとなる方だと思います。普通のサラリーマンだった方なのですが、なんと定年後に!同時通訳になるという夢をかなえた方です。ご自身のサラリーマンでの専門分野を生かして、引く手あまたということです。

まだまだ可能性は広がっています。一緒に頑張りましょう。

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