全国通訳案内士試験を受けたきっかけと学習内容(追記あります)

全国通訳案内士

ここでは、全国通訳案内士(英語)試験対策として学習した内容を記録しておきたいと思います。

幸いにして、一次試験、二次試験(面接)とも、一度で合格することができました。

と言っても、詳しくは後述しますが、一次試験は免除制度を最大限に活用しました。

受験のきっかけ

この資格を取ろうと思ったのは、主に、①英語力強化のための目標、そして②日本文化を外国の人に説明できるようになりたい、の2点でした。

①英語力強化のための目標

はるか昔、社会人になって数年してから英語の勉強を(自分としてはかなり)頑張って、TOEIC900超、英検1級を取得したのですが、どうも自分の思い描いていた英語力と自分の英語力にかなり(というか相当)開きがありました。

映画やドラマの英語なんてほとんど聞き取れないし、話すときも、自分の言いたいことがほとんどまともに言えない。朝起きてから夜寝るまで、日本語で話しているような内容を英語で話すことなんてとてもできない状態でした。

TOEICは受け身の試験だし、英検も、時事問題、特に今話題になっているものをたくさん拾って、頑張ってロジック作ってスピーチし、質疑応答を何とかうまくギリギリやり取りできれば合格しました。(いまはもっと流暢性を重視されていると聞いていますが、僕の時はそうでした。)僕のように、英語力が足りなくても、試験対策をすれば、運が良い場合は合格します。

で、合格後にまともに英語が使えない(特に「話す」「聞く」)ことに改めて愕然としたものでした。

(一応言い訳をしておくと、会社で普段使っているレベルのemailなどのやり取りでは、TOEICや英検の勉強はかなり役に立ちました。レベルは相当上がったと実感しています)

まぁそういうことで、「このまま英語を勉強し続けても自分ではとても自分の思い描いているレベルになるのは一生無理じゃないかなぁ、まぁ目標としていた英検一級には受かったし、一旦切り替えるか」と思ってしまったんです。ここで、細々とでも英語の勉強を続けていればよかったんですが、完全にやめてしまいました。

その後、月日は流れ、、、それでも仕事やほかの環境変化で、英語の力が足りないことをジワジワと思い知らされることが出てきました。

直接の原因は何だったか思い出せないんですが、英語学習を再開することができたきっかけの一つはスマホの「StudyPlus」というアプリを見つけてインストールしてみたことでした。

これは、ご存じの方も多いと思いますが、自分の学習記録をつけて、ほかの人と共有するアプリです。

やってみて最初に思ったのは「これは巨大な図書館だ!」ということでした。世の中のこれだけの人が黙々と勉強を続けている。自分もやってみようかな、ということで、このアプリに英語の学習記録を付け始めました。

最初は友達とかフォローとかは気にしなかったのですが、知らない人が、自分の記録に「いいね」をつけてくれるだけで、モチベーションがあがりました。

少しこれが続いたのですが、やはり、勉強するからには目標設定をしたいと思い、以前、「やさしいビジネス英語」の広告欄なんかで紹介されていて、少しあこがれのあった、通称「通訳ガイド」の試験を受けてみようかな、と思い立ちました。とにかく、英語で話すことを上達させたい、そのための目標が欲しい、と思っていました。

②日本文化を外国の人に説明できるようになりたい

これは、まずは自分のコンプレックスから。。以前もどこかで書きましたが、自分は中高で日本史をまともに勉強していません。

日本の歴史や文化をちゃんと勉強しなくては、という気持ちが心の底にいつもありました。

そして、それを、他の人に説明して、知ってもらえることは凄く日本のためにもなるし、それで日本が好きになってもらえれば、素晴らしいことなんじゃないか、という気持ちもありました。ちょっと単純な考えのような気もしますが、勉強のモチベーションになればそれもよし、だと思って、勉強を始めることにしました。

免除制度は最大限に利用しよう

この試験は、免除制度が色々と生かせる試験です。こんなに免除がある試験って珍しいんじゃないでしょうかね。まず肝心の英語ですが、英検1級を取っていたら1次試験免除!TOEICも900点(僕の時は確かもっと低かったですが)で免除!主要科目が免除というのは凄いです。

地理も、「国内旅行業務取扱管理者」で免除!

そして、歴史試験も、歴史検定2級以上、もしくはセンター試験で80点以上で免除!

ただ僕は、この年で大学入試センター試験を受けるのがどうしても恥ずかしくて、「隣の○○さんの息子さんも大学受験じゃん。同じ試験会場だったら、かなり恥ずかしいなー」なんて柄にもなく弱気になり、センター試験はやめて、歴史検定2級にトライすることにしました。しかしこれがめちゃくちゃ大変でした。多分センター試験のほうが、対策本なども色々出ていると思うので、勉強しやすかったと思います。

僕は結局、一次試験は「一般常識」だけを受けました。これがまた変な(失礼)問題が毎年出て悩まされるのですが、過去問から傾向を自分なりに分析したら、結構ビンゴの問題が出て、何とかクリアできたことを記憶しています。これも、センター試験の「現代社会」で8割取れたら免除なんですよね。

( 「国内旅行業務取扱管理者」 「歴史検定2級」で学習したテキストは以前noteに書いたので、ご興味があればどうぞ)

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英語の学習で、「試験合格や点数を目標にするか」「英語力そのものの向上を目標にするか」という議論が良く出てきますね。 本来あるべきは、前者を道程にして、後者を究極の目標にする、なのでしょうね。 僕は、英検に合格したあと、学習をやめてしまって失敗したので、後者の大事さが身に染みてます。 しかし、試験合格を目標にすること...

二次試験の学習

二次試験は、①日本語の翻訳 ②日本に関するトピックについて説明 の2パートがあります。

以下、全国通訳案内士試験ガイドライン(https://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kokusai/content/001408467.pdf)からの引用です。

内容は、試験委員が読み上げる日本語を外国語訳し、その問題文に関連した質疑を行う「通訳案内の現場で必要となる知識等に関する外国語訳及び全国通訳案内士として求められる対応に関する質疑」、提示される3つのテーマから受験者が1つを選び、外国語で説明を行い、そのテーマについて試験委員と外国語で質疑応答を行う「プレゼンテーション問題」の2題とする。

(僕が受けた時は①では質疑応答はなかったのですが、今は①でも質疑応答があるようで、また、トピック説明→翻訳、に順番が変わったそうです)

で、勉強方法。

多分見ていない方はいないのではと思いますが、まず最初に見るべきは植山先生のサイト。体験談も豊富にあり、非常に参考になります。

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試験の内容を見ると、オーソドックスなのは、とにかく日本に関するトピックをたくさん考えて、説明できるようにすることだと思います。

上記サイトももちろん参考にさせてもらいました。また、ネットでも

(ある日本のトピック) 英語

で検索すると、英語での説明が沢山出てきます。

本で一番勉強になったのは、以下でした。

これも定番本ですね。僕は紙の本を買った後、Kindle版も買ってしまって、とにかくいつでも読めるようにしました。

表現は簡単でいい

ただし注意点が一つあります(英語がとてもできる方を除く)。今書いたような本やWebサイトでの説明は、完ぺきであるがゆえに、僕にとっては表現が難しかったです。これらに書いてある内容はあくまで「完ぺき版」として理解した上で、ある程度稚拙でもいいので、自分なりの表現に変えて話してみると良いと思います。

というのも、なかなか、トピックがそのまま当たることはないと思うのですが、表現は使いまわせるので。

つまり何を言っているかというと、「~を起源とします」とか「多くの日本人が楽しんでいることの一つです」とか、「季節の風物詩として親しまれています」とか、日本の文化を話す際に、共通で使いまわせる表現が色々あるということです。それはどんなに緊張していても出てくるくらいにしておくと、どんなトピックが出てきても、ある程度形になるのではと思います。

こういう切り口で勉強することを意識し、トピックをAnkiカードに入れて、結構な数を一人で黙々と練習しました。通勤の電車の中でぶつぶつ言っていることが多かったです。

最後は、オンライン英会話で本番の練習も(ちょっとだけですが)しました。

本番の様子

二次試験の雰囲気をつかむには、以下のサイトがとても参考になりました。(僕も同じ会場で二次試験を受けました)

2014年度通訳案内士口述試験(二次試験)受験レポート☆ | Enjoy Learning English!!
<追記>以下に紹介している通訳案内士試験の情報は2014年度の情報です。通訳案内士試験の最新情報は、2016年

試験は、問題の漏れをなくすために、長い間、スマホ禁止状態で、建物の中に閉じ込められます。試験が始まる前、そして終わった後も、長ーい間待機させられたのを記憶しています。まぁそれはしょうがないですよね。

試験官ですが、二人でした。一人は(もちろん)英語ペラペラの日本人と思しき女性(大学の先生っぽい)。もう一人はネイティブの外国人でこの方も女性。

日本人は結構ニュートラルな感じでしたが、ネイティブのほうは、声も大きくてちょっとなんとなく威圧感を感じさせるような人(自分も結構緊張していたと思うので、バイアスがかかっていたかも)で、どうも、日本のことは全く知らないような感じでした。

英訳は、正直十分にはできなかったと思います。

気を取り直して挑んだトピックスピーチは、幸い、練習してきた内容に近い内容が出て、ある程度うまく言えたと思います。質疑応答では、できるだけそのトピックで日本の良さをわかってもらうように気持ちを込めて話そうとしました。観光地のトピックだったんですが、本当にそこにあなたが行くと、これこれこういうお土産が買えて楽しいですよ、と本当にお勧めですよ、という気持ちで話しました。(と言っても、自分の力ではそこまでできないですが、気持ちだけ)

最後は頷いてくれたので、まぁまぁ手ごたえはありました。

せっかくこういう機会で英語を話すんだから、できるだけfruitfulな話をしよう、と開きなおったのが良かったのかな、と思います。

少しでも参考になれば幸いです。

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