持家、賃貸、結局どっちがトクなんでしょうか。
Webサイトで情報を探すと、「もう結論は出ている。賃貸のほうが、持ち家より投資に回せるお金が多くなるので、結局経済的にはお得。まぁ、一国一城の主になるという気持ちがあるなら買えば」という意見が多いように思います。
僕は家をだいぶ前に買っちゃいました。先ほどの意見、正しいんだろうと思うのですが、実際のところ、自分自身としてはどうだったんだろう、どのくらい家を買ったことで損をしているのかな、ということを定量的に確かめたくなりました。
ということで、自分が納得するために、持家でローンを組んだ場合、賃貸を続けた場合、どちらがどれだけ得か、シミュレーションしてみました。条件は以下の通り。
シミュレーション条件
①投資は株式インデックス(米国の代表的な株価指数であるS&P500)連動とする。
・今では一番一般的なもののひとつである米国のS&P連動の投信かETFに投資したとする。
・有名なVOOというETFは、設定されたのが2010年だそうなのでダメでした。S&Pの指数をそのまま使うことにしてみます。
②ローンを組む場合の金利は、その年の一般的な金利。
・フラット35ができてからはその金利。
・その前は変動金利。住宅金融支援機構などのサイトを探したんですが、数値情報が見つからず、グラフから定規を当て読み取りました(笑))
③株式の年のリターン、ローンの金利は年によって大きく異なるので、借りる年によって、結果が違ってくるはず。これを色々変えてやってみる。
・多分、リーマンショックをまたぐと大きく違ってくると思います。
④住宅ローンで頭金に充てる金額は、賃貸ならそのまま投資に投入できるので、一括投資したとする。
⑤追加投資できる金額は一定金額マイナス(ローン返済額 or 家賃)とする。
で、Excelで、シミュレーションを作ってみました。
金額としては、「住宅ローンの返済額平均はいくら?」という記事を参考に、以下を入れました。(さすがに自分のを入れるのは生々しすぎるので(汗)。)
・住宅ローン額:3000万円
・頭金:1000万円
・ローン開始年: 2005年 (リーマンショックを挟みたいので)
・ローン期間:35年
・賃貸の家賃: 12万円 (僕の住んでいる地域で、持家と同じ間取りの賃貸を借りた場合の想定家賃)
・ローン返済or家賃+投資として用意できる毎月のお金:15万 (これは適当に)
リーマンショックをまたぐケース
で、シミュレーションした結果がこれです。(もし、このExcelファイルがほしい!という方がいるようでしたら、ご連絡ください)
右下の表がシミュレーション結果です。16年経過後(つまり数字のある最終年の2020年末時点)で、持家だと金融資産2,144万円、賃貸のままだと金融資産4,499万円で、賃貸の勝ち!
あれ、意外と差が開いていないですね。35年ローンだと、16年後でもまだ負債がかなり残っていると思うので、買った家の価格を単純に足すのはダメだとしても、自分が思ったほど差は開いていませんでした。
あと、これを見て怖いと思ったのは、賃貸のケースでの、4年目(リーマンショック時)の資産激減ですね。。これは、多分自分が食らったら、淡々と積み立てを継続できない自信があります。もっと下がる恐怖におびえて狼狽売りしてしまうんじゃないでしょうか。
リーマンショック以降のスタートだったら?
では、リーマンショック以降スタート(2009年)で、他の条件は変えずに、再度シミュレーションしてみます。
これは、スタートを遅くしたので最新が12年経過後までですが、だいぶ差がついていますね。
全力返済のケース
最後、2001年スタート、全力でローンを返す(準備できるお金をすべてローン返済に突っ込む)というシミュレーションがこれです。
20年で5000万円の差がついていますね。でも、持家だと、4000万円で買った自分の家が、ローンもほとんど払い終え、ほぼ自分のものになっています。その価値が今どのくらいあるか、ということがとても大事になってきそうです。(もちろん一生売らないで過ごすのであれば、経済的価値は気にしなくていいですけど)
まとめ
今回のシミュレーション内容を自分なりにまとめます。
①やはり、経済的観点からは、持家より賃貸のほうがトクをする可能性が高い
②ただし、それは、暴落でも、落ち着いて投資を継続できる、忍耐力と精神力がある前提
③持家も「経済的に圧倒的に不利」ということもない。ただし、買った家のメンテナンスを行い、価値を下げないようにすることが重要
ちょっと結論を急いだところもありますが、自分としては大分すっきりしました。精神的な安心感、家族と住む心地よさ、など総合的に考えて、家を買ってよかった、と改めて思うことができました。
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