DeepLで英語不要?ちょっと待って!

英語学習

DeepLの実力

DeepLという翻訳ソフトの性能がすごいというので、自分でも確かめてみました。

Wikipediaによると以下の説明があります。

「DeepL翻訳(ディープエルほんやく、英: DeepL Translator)は、2017年8月28日にサービスを開始した無償のニューラル機械翻訳サービスで、ドイツのケルンに本拠地を置く DeepL GmbH (Linguee(英語版)) が開発した。Google 翻訳よりも精度が高く、微妙なニュアンスのある翻訳ができると肯定的な報道を受けている。」

多くのサイトにそのすごさを示す例文がありますが、ともあれ自分のブログの文章を英訳してみました。

日本文:

「PCを2画面で使うと便利ですね。でも、マウスのカーソルを見落としたり、複数のウィンドウを行ったり来たりするときに面倒になることがありました。ウィンドウをマウスでつかんで、「よっこらしょ」と、別のモニターに持っていくのが結構手間になりませんか?そういう時こそ、ショートカットを使うとチャチャッとデスクトップが整理できます。という僕も、つい最近まで「2画面迷子」でした。2画面になったことで開いているウィンドウの数が増えて、取っ散らかっちゃうんですよね。
しかし、ショートカットを使うとそれが簡単に整理できることがわかりました。簡単です。」

これを訳してみました。

英文:

“It’s convenient to use a PC with two screens. However, there are times when I miss the mouse cursor or find it troublesome to move back and forth between multiple windows. Isn’t it quite a hassle to grab a window with the mouse and bring it to the other monitor with a “yokkorashoko”?
That’s when you can use shortcuts to organize your desktop quickly and easily.
Until recently, I was also a “two-screen lost child”, because the number of open windows increased with the addition of two screens, and it became cluttered.
But it turns out that using shortcuts is an easy way to organize them. It’s easy.”


ほぼ完璧ですね。「よっこらしょ」が「よっこらしょ子(?)」と、可愛くなっていますが(^^; これだけですね、ミスは。「チャチャっと」という言葉も、”quickly and easily”なんてうまく訳されています。少なくとも自分が英訳するより圧倒的に自然な英語。

これって、英語を学習している身からすると結構恐ろしいことですね。英語学習が不要になる、と主張する人が増えているのも理解できます。自分としても、どう考えればよいのか迷ってしまいます。

英語学習は必要!という意見の主な論拠

しかし、色々なサイトやブログでの意見を見てみたところ「そんなことはない、英語学習は必要!」という意見がほとんどのように感じました。意見を自分の解釈でまとめると、こんな感じでした。

・AIの機械翻訳はどんなに進化しても間違いはある。間違いを評価できる英語力は必要。

・個人的なコミュニケーションで翻訳機を使うと興ざめ。

・言語の学習は文化の学習。翻訳ではその本質が学習できない。

・直接その言葉で伝えるかどうかで、影響力が変わる。

うーん、今一つ僕は説得された気になれません。間違いなんて、逆翻訳をかければすぐに発見できるし、文化の共有なんて大げさでなく、個人的に仲良くなるつもりのない人と仕事で使うんだったら、十分ということになってしまうのではないでしょうか。

自分もそうなのですが、今まである程度英語学習をやってきた人にとって、それを否定する可能性のある技術が出てきているわけです。その技術の進化を簡単に肯定してしまうと、今までの自分の努力は無駄になってしまう、という心理が出てしまう気がします。

しかし一方で、以下のような意見は確かに、と思いました。

・翻訳というプロセスには時差がどうしても生じる。これは日本語と英語の構造の違い(例えば、日本語では最後に否定形が来ることが多いが、英語は逆なので、日本語の最後まで言わないと正しい英語にできない)で、完全に同じタイミングにすることは不可能

脳でイメージしていることをそのまま反映できる技術ができたら別ですが、それは今のAIとはまた別の技術で、何年かかるのか想像もつかないです。

多分、非常に高いレベルの同時通訳者はこの脳内イメージを瞬間的に作って、それを介して日⇔英の世界を行ったり来たりできているのでは、と想像しますが、本当の同時は、脳をのぞき込まないと無理ですよね。これはAIでも同じだということだと思います。

自分の考え

まず、前提は、文化理解とか、より仲良くなれるか、などではなく「仕事で役に立つか」。前提が違う人も多いと思うので、ここはその前提で読んでください。

注:難解な論文や小説などの翻訳や、同時通訳などの英語プロを目標に置いての英語学習はいったん横に置かせてください。自分はそれを判断できるレベルにはないので。ここでは、あくまで英語のプロではない方が英語を使ってビジネスや付加価値のある活動をするうえで、どこまで英語学習が必要かという点を考えます。

自分の意見はこうです。

読み書き(専門性のそれほど高くない、一般的なビジネス上のやり取り)については、かなりの部分が置き換わってしまうと思う。現実問題、これは始まってますよね。

瞬発力が必要となる会話では、当分は個人の英語力強化は必要。いわゆる「ほんやくコンニャク」レベルで、全く時間的ずれのないコミュニケーションを行うのは、音声をベースにしている以上無理。

つまり、英文解釈力、英作文力よりも、むしろ瞬発力、会話力の必要性が高まっていくのではないか、と思います。

私ですか?勉強を続けます。

でもこの技術は必要なときはどんどん取り入れていこうと思います。自分の拙い翻訳力を高いパフォーマンスでカバーできるものを使わない手はないと思ってます。簿記や経理で電卓を早く使いこなせる人が重宝されるように、翻訳技術の使いこなし方が重要なスキルの一つになるような気がしています。

p.s. 中学生の娘と話していてDeepLの話をしたら「もちろん知ってるよ!クラスみんな使ってるよ!便利だし!Google翻訳は使えないからDeepL使ったほうがいいよ!」だって。デジタルネイティブ恐るべし。

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